マクロレンズはいいぞ
はじめに
この記事は KEEB_PD Advent Calendar 2021 の15日目の記事です。
キーボード #1 Advent Calendar 2021 の13日目と キーボード #3 Advent Calendar 2021の1日目 にも記事を書きましたので、よければ御覧ください。
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14日目の記事はBeariaさんのはじめて塗装したはなし?(KEEB_PD Advent Calendar)でした。
自作キーボード沼に入る前、若干ながらカメラ沼にハマっておりその際に出会った一本のマクロレンズの紹介記事です。
SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO Art
まずはこの画像をみて頂きたい。
こちら全てカメラ本体:Canon EOS Kiss X7,レンズ:SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO Artにて撮影。
正直に言いますがX7はAPS-Cサイズかつ型落ちの機種で本体がレンズに負けている状態です。
それにも関わらず、この描写力。
たまらないと思えませんか。
SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO Artのおかげでキレッキレの写真が撮影できるのです。
このレンズの魅力はその圧倒的な解像感とヌケ感。
カミソリマクロなんて異名もあります。
ではこちらを用いてキーボードなどを撮影するとどうなるか、御覧ください。
おわりに
いかがでしたか。
被写体に接近して撮影することの多い自作キーボード撮影において、このマクロレンズは相性が良いと思い紹介してみました。
このレンズは5万円代と高額ですが、高級自作キーボード一台分と考えるとお安く見えてくるんじゃないでしょうか。
もしマクロレンズをお探しでしたらこちらのレンズを購入してみてください。
世界が変わりますよ。
この記事はRe64とHHKB Professional Hybrid Type-Sで書きました。
2021年自キ活動ふりかえり
はじめに
この記事は キーボード #1 Advent Calendar 2021 の13日目の記事です。
キーボード #3 Advent Calendar 2021の1日目と
KEEB_PD Advent Calendar 2021 の15日目
にも記事を書きましたので、よければ御覧ください。
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12日目の記事はたねやつさんの3Dモデリングとキーキャップについてでした。
ZBrushCore持っているので機会をみて自分も挑戦してみようかなと思えるいい記事です。
一昨年天キーVol.3にてクロパットのGZR89C、GZR89D頒布、 昨年遊舎工房とBoothにて分割型キーボードRe40、Re64、Re42頒布と 今年で自作キーボードを初めて3年目となりました。
個人的忘備録として2021年の活動を記載したので、 こんな活動してたんだぐらいの軽い気持ちでお読みください。
Re42_Rev2 & Re64_Rev2
以前頒布していたRe42とRe64のRev2です。
基本的機能は昨年頒布していたRev1と変わらず、ちょっとした改修と内容物が主な変更ポイント。
準備自体は昨年からはじめて今年の8月ごろから頒布しました。
基板面の改良点はLEDの増設とキースイッチの取付方向の変更の2点。
1点目はバックライトだけじゃなくてアンダーグローも欲しいなと思いLEDを増設。
バックライトだけじゃなんか足りなくなってしまったので。
配線的にバックライト分を実装してからじゃないとアンダーグロー分だけは実装できないが、 どちらか片方のLEDだけ付ける人なんてごく少数だろということで問題なしとしました。
2点目に関しては、北向きスイッチだとCherry Profileキーキャップ使用時に 中心列(R3,R4)のキャップがスイッチに当たる問題を解消するために対応。
当たると言われても、Re64にGMK White-on-Blackを載せ常用していてまったく気にならなかったが、 知ってしまったのでLED増設するしこちらも対応するかの軽い気持ちで変更してみた。
内容物に関してはロータリーエンコーダ部品の変更とノブとステッカーの追加。
ロータリーエンコーダは以前、絶縁軸、クリックあり(24/1回転)、プッシュスイッチ0.5mmのPEC12R-4222F-S0024を採用していたが、
やっぱロータリーエンコーダといえばノンクリックだよなと思い変更してみた。
選定にあたり10品ほど様々な部品を取り寄せ比較してみて、
EC11E1834403という金属軸、クリックなし、プッシュスイッチ1.5mmというのが個人的に気に入り採用。
ロータリーエンコーダの取り付け位置選択式だし、
自分の手にあうノブを探して買って欲しいとの思いでノブを同梱していなかったのだが、
キット付属してると楽だよなと思い入れてみた。
ここらへんの部品に関しては ロータリーエンコーダやトラックボールなどのキースイッチ以外の入力部品について - CyberDeckArsenal に書いてありますのでよかったらお読みください。
Re93
理由はおぼろがだが、ファンクションキーが欲しいとの声が確かあったので設計、頒布してみた。
Re64をベースに外周を一回りキーを増やした一品。
個人的にこのサイズになるとコストが掛かるのと1台作るだけで労力がかかるので、現状の在庫分だけで頒布終了の予定。
TKLサイズのキットがあまりない理由がわかった気がします。
ステッカー
自作キーボードキットにはステッカーがよく入っているけど自分は作ったことがなかったよなぁと思い立ち作ることに。
ロゴだけの普通のだと面白くないなと思い、Re40などのテスターをしていただいたうつぼさんにご協力頂いて、各種キーボードを擬人化したキャラクターを描いていただきました。
どれも可愛いキャラクターですごい満足しています。
こちらは描いていただいた各キャラクターの設定画となります。#自作キーボード pic.twitter.com/B6Sae1fgDM
— くしま 8「九嶋 八」@ 自作キーボード Re42_Rev2 Re64_Rev2 Re93委託中 (@kushima8) 2021年7月28日
それとせっかく描いていただいたのでこの娘たちのコミッションを依頼してみました。
キーキャップ
東亜重工フォントが出るという告知をみて、これでキーキャップ作ったらカッコいいんじゃねと思い立ちやってみた。
遊舎工房のレーザー刻印サービスで一式作成。
作ったら作ったで満足してしまったので、Re64_Rev2の遊舎工房店頭展示品に装着しています。
お立ち寄りの際はご覧ください。
SignFrame71
創作物に出てくるキーボードを試しに作ってみようとの試みから生まれたキーボード。
好きな作品かつ手持ちの資料できそうなものはと探してみたところ、
境界線上のホライゾンに出てくる極東勢の表示枠がいけそうだと思い作成。
自分としては初の一体型でして、基板が届いた際デカイという感想が一番に飛び出てきました。
今の所頒布予定ないですが、試作品の余りがあるので欲しい人がいればお問い合わせください。
それと以下でデータ公開しています。
HOOK69(仮)
とある方のアイディアを元に現在作成中の一品。
液タブの上面に配置して使う用なので細長い。
初のリバーシブル設計かつロープロ、EVQWGD001という水平回転ロータリーエンコーダに対応。
現状ちょっと盛り込みすぎて配線がキツキツなので一旦見直しが必要かも。
頒布に関しては未定。
Rex12(仮)
トラックボールとかジョイスティックに対応したキーボード作りてぇという欲求を検証するための実験機。
現状、半導体不足の影響でトラックボール用センサ基板の作れず止まっていたが、なんとかなりそうな目処が立ったため再始動中。
ここでの検証結果を元にして新型60%キーボードを設計する予定。
おわりに
昨年末からRe64でEndgameかなぁと思っていたのであんまり活動していませんでしたが、 色々と制作意欲を刺激されることがあり再びEndgameを目指し再始動しました。
来年はHOOK69(仮)とRex12での実験結果を元にした新型を出せればなと思います。
この記事はRe64とHHKB Professional Hybrid Type-Sで書きました。
ロータリーエンコーダやトラックボールなどのキースイッチ以外の入力部品について
はじめに
この記事は キーボード #3 Advent Calendar 2021 の1日目の記事です。
キーボード #1 Advent Calendar 2021 の13日目と KEEB_PD Advent Calendar 2021 の15日目 にも記事を書きましたので、よければ御覧ください。
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キースイッチ以外の入力部品について、自分用のメモを兼ねて簡単な紹介・入手先・採用実績などをまとめた記事となります。
採用実績として紹介したキーボードは参考になればと思い基盤データが公開されているものを中心にピックアップ。
ポインティング・スティックなど他にも紹介できる部品はあるのですが、今回は自分が調べきれてないものありそこら辺は割愛。
前提としてPro Micro・QMK Firmware・KiCadを使用する想定で記述しています。
基本的に自分が知る範囲でのものをまとめましたので、抜け漏れなどがあるかもしれませんがあしからず。
ロータリーエンコーダ
EC11系&EC12系
水平回転入力が特徴のAlps Alpine製部品。
EC11(金属軸)とEC12(絶縁軸)の2分類があり、軸の長さ・クリック数・プッシュスイッチ付きなどで様々な種類が存在します。
互換品としてはBourns社製など。
部品単体では操作しにくいのでノブを取り付けることがほぼ必須なため注意。
今回紹介するなかでは比較的容易に入手・実装出来るため非常に多くのキーボードが採用していたりします。
用途としてはオーディオのボリュームアップ・ダウンやスクロール(PageUp/PageDown)など様々。
How can I use a rotary encoder?
入手先
モノタロウやコアスタッフ オンラインなど。
比較的出回っている部品であるので調達は容易。
ノブの入手先としてはモノタロウや千石電商など。
個人的オススメ
EC11E1834403
金属軸、クリックなし、プッシュスイッチ1.5mmの一品。
滑らかな回し心地と確かに押したという感覚が返ってくる押下幅1.5mmのプッシュスイッチが魅力。
欠点としては単価が高いことと、クリックありより回すのに若干力がいること。
後者はある程度回して馴染ませれば問題なくなるはず。
PEC12R-4222F-S0024
絶縁軸、クリックあり(24/1回転)、プッシュスイッチ0.5mm。
クリック感が返ってくる確かな回し心地と安価が魅力な一品。
欠点としては押下幅0.5mmのプッシュスイッチが若干硬い所。
Chroma Caps Super Knob BLACK (0°) DJ ミキサー用 つまみ
ゴム素材で触り後心地がよく、
操作部の直径12mmと比較的動かしやすい大きさで手に馴染みやすい。
千石電商にて入手可。
岩通アイセック R3310-6-SWA-11 ジョグダイヤルツマミ(黒)
外形が33mmと非常に大きく、
プラ素材で軽く回しやすさが光る一品。
こちらも千石電商にて入手可。
採用実績
自分が設計したRe64_Rev2やASTRA515やSofleなど。
設計メモ
フットプリントはKiCad付属ライブラリを使用すれば問題ないはず。
ロータリーエンコーダ一つにつき空きピンが2つ必要であり、
プッシュスイッチ付きの場合は空きキーマトリクスに配置すると良い。
左右分割型に一つずつ乗せる場合、左右でピンアサインを変更しなけれならないが反転させるだけでもOK。
github.com
ロータリーエンコーダ1つにつき空きキーマトリックスが2つ必要ではあるが、以下の様な実装をすればVIA(Remap)にて割り当て変更が可能となる。
github.com
EVQWGD001
水平回転入力が特徴の部品。
Panasonic製とのことだが公式サイトに一切の情報が無いため不明であり、
データシートも存在していない。
調べた限りSony向けに出荷していた部品らしい。
個人的調査ではあるがSONY VAIO R505に搭載しているジョグダイヤルに似ているのでこの製品に使用していた部品ではないかなと思っている。
国内外で昨年ぐらいから話題になりはじめ、今年に入り採用するキーボードが増え始めた印象。
入手先
Aliexpressのみであったが、先日からDaily Craft Keyboardでも取り扱いが始まった。
ちなみにAliexpress以外で入手できないものかと、国内の部品入手サービスを何社か使ってみたが軒並み無理であった為注意。
採用実績
Rollowなど
設計メモ
出どころ不明で怪しい部品であるためにキットとして採用する際は通電確認などしっかり検品してから同梱すべし。
ピンアサインはこちら
フットプリントは拙作ですが、以下で公開していますのでよければお使いください。
github.com
名称不明(EVQWGD001の長い版?)
正式名称不明。
EVQWGD001の長い版?っぽいがわからず。
多分ではあるがこちらもPanasonic製。
予測であるが、こちらはSONY VAIO GR PCG-GR9/Kに搭載されていた部品だと思われる。
入手先
こちらはAliexpressのみ。
採用実績
不明。
情報求む。
フットプリントも見つからない為、まだ使用したキーボードはないかと思う。
ジョイスティック
RKJXV122400R
レバーを傾けて方向入力をするAlps Alpine製部品。
簡単に言えば箱コンやプロコンのジョイスティックの中身。
tech.alpsalpine.com
そのままだと軸がむき出しな為、カバーの取り付けが必須。
入手先
カバーはAmazonなどで入手可。
採用実績
不明。
情報求む。
RKJXY1000006
こちらもレバーを傾けて方向入力をするAlps Alpine製部品。
PS Vitaで採用されていたジョイスティックらしい。
入手先
秋月電子通商で入手可能。
ただし製造中止品であるため注意。
採用実績
不明。
情報求む。
Joy-Con Stick(形式番号不明)
そのまんまJoy-ConのStick部品。
製造元不明ではあるが、RKJXY1000006と非常に似ているので多分Alps Alpine製。
RKJXY1000006にはなかったプッシュスイッチ付き。
データシートは存在していない。
入手先
純正品はJoy-Conからの入手のみ。
部品単体で販売は見つからず。
互換品がAliexpressなどで流通している。
ちなみに互換品の製造元は不明。
採用実績
設計メモ
フットプリントはmusashi60にて公開されているものがあります。
接続には0.5mmピッチのFPC/FFCコネクタ(5PIN)が必要。
ピンアサインは以下の通り。
固定用の穴が2つある。
M1.7のネジでキツかったのでM1.6のネジがベストかと思われる。
マウスセンサ
PMW3360DM-T2QU
PIXART社製の光学センサ。
一昔前のゲーミングマウスに採用していたりするので聞き覚えがある人もいるかもしれない。
キーボード下部に設置しキーボード自体をマウス化したり、ボールと組み合わせてトラックボールとして使ったりできる。
入手先
Aliexpressのみ。
レンズ(LM19-LSI)付きで入手可能。
採用実績
設計メモ
ブレイクアウトボードにセンサを実装し、SPI通信で制御する。
ブレイクアウトボードはオープンソースで公開されているものがあるのでそちらを使うと良い。
github.com
easyeda.com
通信するにあたり、SS, SCK, MOSI and MISO用のピンを用意しなければならないが、
デフォルトで設定されているので注意が必要。
Pro Micro(ATMega 32U4)ので使用する場合、SSにB0がデフォルトで割り当てられているため、B6などに変更しないといけない。
beta.docs.qmk.fm
PMW3389DM-T3QU
こちらもPIXART社製の光学センサ。
PMW3360DM-T2QUの上位版。
こちらは最新のゲーミングで採用していたりする。
PMW3360に比べ単価が高く、よほどのことが無い限りPMW3360で十分かと思われる。
入手先
こちらもAliexpressのみで、レンズ(LM19-LSI)付きで入手可。
採用実績
不明。
情報求む。
ADNS-9800
Broadcom / Avago社製の光学センサ。
入手先
こちらもAliexpressにてレンズ付きで入手可能。
製造中止品らしいので、採用する際は注意。
採用実績
トラックボール
7mmオプティカルトラックボールモジュール1uタイプ
Pixart PAW3204OA光学式センサーを搭載したトラックボールモジュール。
せきごんさんのトラックボールモジュール用レベル変換基板を使用すれば、OLED用ピンソケットが用意されている基盤に対応可能。
入手先
変換基盤ともに遊舎工房など
採用実績
設計メモ
上記の変換基盤を使うことでI2C通信で制御可能となる。
SCL と SDA用のピンを用意する必要があり、
こちらもデフォルトで決まっているので注意。
beta.docs.qmk.fm
OLEDなどI2C通信を使うものの共用は不可。
本体に固定させるような爪などはなく、そのままだと動かしづらいので、3Dプリンタでケースなど作成したほうがよい。
OLEDを乗せる想定で設計しておけば、後々実装したくなった場合にハード側をあまりいじらなくて済む。
おわりに
現在開発中の新型に色々と搭載したく調べ上げた際に得たものを簡単にまとめてみました。
ほぼほぼ設計者向けの記事となってしまいましたが、自作キーボードにはこういった部品も搭載できると知っていただければ幸いかと思います。
この記事はRe64とHHKB Professional2 Type-Sで書きました。
Re Keyboardを作った話
はじめに
この記事はキーボード #2 Advent Calendarの22日目の記事です。
21日目の記事はYoichiro Tanakaさんの「 ウェブブラウザからキーマップを書き換える「WebVIA」を開発中です 」でした。
23日目の記事はbbrfkr(ビビリフクロウ)さんの「自キ初心者が自作ケース沼まで着々と浸かる話」です。
今回はノリと勢いで「Re Keyboard」というものを設計し、頒布した記録です。
設計を始めた昨年12月でしたが、世間の事情と様々さ失敗もあり開発期間が伸びに伸び完成まで半年以上かかりました。
今後自作キーボード設計と頒布を考えている人の参考になることを願い残します。
Re Keyboard とは
Re Keyboardとは左右どちらにも親指で操作可能なロータリーエンコーダー搭載の分割キーボード。
本記事作成時点ではOLEDとバックライトにも対応した40%のRe40,Re42と60%のRe64の三種類。
現在はRe42とRe64を遊舎工房様に委託、Boothで頒布中です。
yushakobo.jp
yushakobo.jp
cyberdeckarsenal.booth.pm
Re64に関してはDaihukuさんの作成されたビルド動画がありますので、よろしければ御覧ください。
www.youtube.com
経緯
まずはじめに、昨年開催された天キーVol.3とC4LAN 2019 WINTERでGZR89CとGZR89Dというマクロパットを頒布しておりました。
元々趣味で絵を描いたり、3DCGを弄ったりしており、その中で大型ノブを採用した左手デバイスが欲しいという欲求から設計したものになります。
知識も経験もまったくない中で作成したのもあり、色々と反省点が多く残るものでした。
その中で少し触って頂いた方に左利き用が欲しいとの言われたのと、やはりイベントに参加してマクロパッドではなくキーボードじゃないと駄目だなと感じ、ではこいつをベースに分割キーボードを作成して次回の天キーにリベンジしようと思い立ったのが始まりです。
命名
Reって名前はこのプロジェクトを始める際に名付けました。
ちなみにReはRotaryEncoderの頭文字から取っただけで深い意味はありません。
前作GZR89が振り返ってみると微妙なネーミングでして、GZR89は大型ノブを御座候にみたてて名前を付けたのですが、「ござそうろう」ではなく「ござろう」と間違えていたので恥ずかしい話です。
ただ今回は他との名前被りを考慮していなかったので検索しにくいのがちょっと反省点ですかね…
コンセプト
親指で操作可能な位置にロータリエンコーダを配置
Re Keyboardのキモであり特徴。
左右に1基づつロータリーエンコーダを配置。
余談だが、コンセプト選定時点では親指で弄れる位置としか考えておらず、後々ちょっとした失敗に繋がる。
分割
左右両方でキーボードとして、片側だけだと左手(右手)デバイスとして使用できるようにと分割方式に。
ソケット対応(MX)
コストが上乗せになったとしてもやはりソケット対応して様々なキーを使用したいのと、 飽きて新しいキーボードに移行した際でも資産の流用ができるようにと考え対応。
バックライト対応
自身がオタクであり、やはり光らせたいということで前作GZR89から引き続き使用を検討。
相当数LEDチップ(SK6812MINI)をハンダブリッジをするのは気が引けていたのですが、
足つきLEDチップ(YS-SK6812MINI-E)が遊舎工房様での取り扱いが始まったことを受け採用。
OLED
レイヤー表示やらバックライトの設定やら様々なものを表示できるとのことなので便利にはなると思い採用。
試作
コンセプト選定時点で一番重要なキーレイアウトをとくに決めていなかったので迷走と失敗の歴史です。
とりあえず思いついたものを試作し触ってみるというスクラップアンドビルド方式で作成しました。
そのため何機かお蔵入りしたものが存在します。
Re34(お蔵入り)
プロジェクト開始当初は試作コストを抑える意味も含め左右対称かつ100mm*100mmで収まるようにと考え作成しておりました。
キーボードとして最低限のキー+ロータリエンコーダという構成で30%ほどのRe34というものを設計し、基盤を発注。
まあこれがレイアウトをあまり吟味せずノリと勢いで作ったものですから、 案の定といいますか、大きさの都合上親指のホームボジション直下にロータリエンコーダを配置したので、干渉し非常に使いにくく設計をやり直すことに。
Re40
次に作成したのがRe34から6キーほど増えたRe40。
ロータリエンコーダを親指でいい感じに弄れる位置に配置するために、 100mm*100mmという縛りを撤廃。
キーレイアウトを印刷したものに手を置きひたすらロータリーエンコーダの位置を調整。
元々は大型ノブだけ使うことを考えていたのですが、調整の中でノブの大きさに合わせて配置を変更できるよう選択式にしました。
ロータリーエンコーダを中央部に配置したことによりスペースに余裕ができたので、ProMicroなどの位置も中央へ移動。
大きさの縛りが無くなったので無理をして30%でなくても良いなと思い、左右合わせて6キー増設し40%サイズに変更。
試作品がいい感じに完成し、ここでエンドゲームかなと思いしばらく使用しました。
しかしBaseキットしか買ってなかったとあるGMKのキーキャップでうまく統一が出来ないという問題に直面し、 ここから色々とキーレイアウトをいじる事に…
Re48(お蔵入り)
迷走してた時期に作成したものその1
オーソリニアのままRe40から左右対称を撤廃し修飾キー増設かつHHKBっぽくにしたもの。
製造したものの気に入らずお蔵入り。
Re61(お蔵入り)
迷走してた時期に作成したものその2
Re48に数字キー列を増設、オーソリニアHHKBといえばわかりやすいか。
こちらも製造したものの気に入らずお蔵入り。
Re64
HHKB配列をベースにしたもの。
元々HHKBとChoco60を使用していたのもあり移行コストが最小限で済むのと、Re48とRe61と作成してきてやはりオリジナルに近いほうが使いやすいと気づき設計。
中央部にロータリーエンコーダとProMicroを配置しているため左右の合体は不可。
ロウスタッガードを採用してるキットだと左右合体し一体型っぽく使用できるのがあるのですが、Choco60使用時にほぼほぼ合体させずに分離したまま使用していた経緯もあり最初から合体を捨てています。
GMKなどのキーキャップのBASEキットのみ購入した場合でも、サイズの問題がないよう最下段のキーレイアウトを設定。
最下段に2Uや2.25U、2.75Uなどキーキャップのセットによっては入ってないこともあるサイズを不使用。
ほぼほぼ収録されているであろう1.25Uと1.5Uと1Uで構成。
左部最下段にキーがあるのはゲームするときにないと困ることが多いので付け足しました。
上記のは試作品ですが、贅沢にアルミプレートを採用、スイッチにDrop Holy Panda、キーキャップにGMK WHITE-ON-BLACKと山盛りで作成、現在でも使用しております。
最下段中央部のキー配置になれるのに少し時間が掛かりましたが納得できるものを作成できました。
ロータリーエンコーダにはホイールスクロールを配置し、ブラウジングからクリスタまで様々なソフトを使用するのに役立ってくれています。
微修正と頒布
当初はRe64のみの頒布を考えていたのですが、実機をお渡ししたテスターの方からRe40の評判が良かったので、2種頒布することに。
Re40は試作版最下段外側部の切りかけ状から外形形状を変更。
これはチルトが付けにくかったので修正。
準備中にVIAというGUIでキーマップを変更できるものを知り対応。
そして、各所からネジやスペース、梱包材などを仕入れ小分けにしてキット作成。
この過程が自分の中では一番キツかったです。
その後遊舎工房様に委託。
今年はイベントなどで手売りする機会がなく、少しでも頒布した実感を味わいたくBoothでも取り扱いを開始。
需要がわからなかったのであまり数も作成しなかったのもありますが、ファーストロッドは完売。
現在セカンドロットを頒布中です。
改良
Re40のファーストロッドが捌けたので、一旦テスターの方と使用感について話し合いました。
その中でスペースあるし左右にもう1キーづつ欲しいよねとの話になったので改良を決意。
Re42
Re40から最下段に2キーRe42としてリファインしました。
それ以外はRe40と同等です。
今後
頒布未定のものが多いですが色々と仕込んでたり作成してたりします。
Re93
Re64からOLEDとバックライトを無くした代わりに1回り大型化したもの。
矢印キーとファンクションキーが欲しいという声があったので作成。
現在試作中で問題なければ少数頒布するかも。
ステッカー
自作キーボードキットにはステッカーが同梱されていることが多いので自分も作成を決意。
ロゴだと先駆者さんたちの同じで面白みがないので、Re Keyboradを擬人化したキャラクターのステッカーを作成することにしました。
ステッカー用のイラストをうつぼさんに依頼中です。
キャラデザイン案がまとまった段階なので、新年度頃にはステッカー作成し頒布までいけるといいなと考えてます。
キーキャップ
発表当初から気長に待っていた東亜重工フォントがついに届いたので、 遊舎工房様のレーザー刻印サービスを利用し作成。
とりあえず試しにと16キー分だけですがいい感じにカッコいいのものに仕上がりました。
余裕ができたら一式作りたと思います。
G4K
とあるイベントでの頒布用に試作した4キーマクロパッド。
こんな状況でイベントもないため塩漬け中。
71キー一体型オーソリニアキーボード
とあるものにインスパイアされたTKLサイズの一体型キーボード。
Kicadで設計し始めたところなので完成は当分先。
ケース
今流行のアルミ削り出しケースに手を出したいなぁと思ってるのですが、 コストが掛かりそうなので躊躇しています。
大人しく3Dプリンタ買って、ABSかPLAでケース作るところから始めようかと思案中。
Re38
原点に戻り100mm*100mmで収まるようにしたもの。
ロータリーエンコーダーは上部に設置すればサイズを抑えられるのかなと思い始動。
現在Kicadでの設計途中。
おわりに
個人的にはRe64でEndGameかなと思ってます。
今現在は新規に新しいキーボード作るよりかなキーキャップやらケースなどに手を出してみたい気持ちが強いです。
今後も自作キーボード界隈の片隅で色々と作成していく予定でありますので、よかったら見てやってください。
最後にもし購入された方がこの記事を見ていたらキーボード名のハッシュタグ(#Re40,#Re42,#Re64)をつけて完成品をツイートしていただけると著者が喜びますのでよろしくおねがいします。
この記事はRe64とHHKB Professional Hybrid Type-Sで書きました。