2023自キー活動振り返りなど

はじめに

この記事は キーボード #1 Advent Calendar 2023 の19日目の記事です。
自分への備忘録感が強いですが、コイツこんな活動してたんだな程度の軽い気持ちでお読みください。

制作物

Reex56 Reex67

Reex

トラックボール搭載可能
ロウスタッガードでErgo配列ライクなReex56
カラムスタッガーでHHKB配列ライクなReex67

元々は以前作成したRe64の使用者からロータリーエンコーダを付け替えられるよう取り外せるようにしてほしいとのご意見を頂いたので、モジュール式Reシリーズのがベースとベースとなっています。
途中KeyBallなどのトラックボール搭載型に影響を受け、ロータリーエンコーダ以外も搭載できるようにと設計を変更し、今へと至っています。

設計開始は意外と古く、22年12月頃から開始してました。
開始後すぐにHOOK69への注力やこちらの設計の行き詰まりなどで開発を一時中断。
今年頭にやっと作成を再開し、5月頃完成といった自分の中では最長のプロジェクトになりました。
ちなみにProMicroを採用していたりと一昔前で、若干最近のトレンドに乗れていないのはそこら辺の設計を更新せずに進めたからという身も蓋もないだけです。

Reexで一番開発の時間の掛かったポイントとしてはトラックボール関連。
ケースもセンサ位置など課題点が多く、血反吐吐きながら開発するはめに。
完成後は若干燃え尽きてた燃え尽きましたが、出来上がったケースの設計と玉の高さを抑えるために基板本体下部にセンサモジュールを取り付ける方式は今見てもいいものだと自負しております。

ちなみにケースはこちらで公開しているので良かったら使ってください。

github.com

余談ですが名前は元々トラックボールなしのものをそれぞれReex56、Reex67と命名し、各種拡張ごとに名前を付け足す予定でした。
初頒布の際、トラックボールユニット同梱版をReex56、Reex67として出してしまったので、現状形となっています。
こんな事情から他の拡張モジュール付けたのはReex56Mod、Reex67Modと別名称つけてリリースする運びとなりました。

Reex56Mod Reex67Mod

Reex Mod

上記のReexに各種Modパーツ(拡張基盤)を組み込んだもの。
名前の元ネタはまんまゲームのModから。
改造パーツに近い立ち位置になってしまったのでこの名前にしました。

これを書いている現状ではキー拡張4種、ロータリーエンコーダ拡張の計5つほど。

Mod(試作品含)

キー拡張は配置するスペースがあれば片側に1つ搭載可能。
使用しているPINの都合で同一側にトラックボールとロータリーエンコーダは併用できませんが、右側にトラックボール、左側にロータリーエンコーダと言った構成は可能になってます。

元々はReexとの同時リリースを予定し、モジュール自体は早々に完成していたのですが、ファーム部分の調整に思った以上に時間が掛かりリリースまで時間を要しました。

Mod作成に合わせてReex用トラックボールケースのカバーも作成。
トラックボールの操作感と固定はトレードオフだと考えており、操作感のために飛び出し防止用のスペーサーしか設置してないストロングスタイルだったんですが、やっぱ固定用のカバーあって付けるか付けないかは選んで貰ったほうが良い感じたので。

カバー付き

今後頒布するキットにはすべてカバーは付属する予定です。 以前に購入された方はすみませんが下記でカバーデータ公開しているんで、ご自身でDMM.makeなどに発注して付けてください。

github.com

キー拡張の接続ですが電線を使用する想定です。
元々コンスルーでの接続を考えていましたが、それですと欲しい位置にキーを拡張しずらく使い勝手の向上に繋がりにくかったので、キーの位置を優先した結果電線をでの接続となりました。

初っ端から電線をはんだ付けすると後戻りが出来ないので、とりあえずはスルーホール用のテストワイヤで試してもらってから、電線をはんだ付けしてもらう予定です。

それと試作品段階のもで、ジョイスティック拡張とタッチパッド拡張の2つが存在しています。
こちらのファーム含めての完成の見込みは現状未定。

あとはQMK0.24で3Dマウスが対応されるらしいのでReexに組み込めないかと考えてたりもします。

TKS4

TKS4

某オンリー用に開発した4キーマクロパッド。
前々から参加するために設計してたが、色々あって2年ぐらい眠ってました。

裏面のボトムプレートにはシルクまたはレジストでのイラストを仕込んであります。 イラスト基盤は1回やってみたかったのでやれて満足してます。

現状中国国内限定ですがJLCでフルカラーシルクのサービスが開始してるとのこと。
グローバル向けでも作れるようになったらこれのフルカラー版を試してみたい。

設計中,開発中

Reex42

以前作成したRe42のReexアップデート版みたいなやつ。
REEX56とREEX67関連の開発が終わったら作成しようと温めてる状態。
いい加減ProMicroじゃなくてRP2040使いたいなと言う気持ちもあるので、設計練習兼ねて色々と変更して盛り込むかも。

イベント参加

天下一キーボードわいわい会 Vol.4

天キー Vol.4
天キー Vol.4駆動でケースを作っていたので血反吐吐いていた覚えが…
このときはDMM.makeで作成をしていたので結構時間とお金が飛びました
素直に3Dプリンタをこのときに買っておけばよかったと後悔してます

某オンリー

TKS4を頒布したイベント。
ちなみに日程の都合でReexの初頒布はここ。

遊舎工房フリーマーケット2023.05

フリマ
確か連続してのイベントだったので若干ボロボロになりながらの参加だった覚えが…

C102

C102
ジャンル配置の都合で壁に配置されました。
壁配置には変わりないので結構嬉しかったですね。

天下一キーボードわいわい会 Vol.5

天キー Vol.5

この直前で3Dプリンタを購入。 色々作るのが面白くなって55mmボール用ケースを試作。
Reex67に組み込んで展示してました。
使い心地に関しては察してください…

C103

記事を書いている時点では開催前ですが、
二日目東2 U29ab 電脳甲板工廠 で参加します。

C103 配置

はんだ付け済みのReex Modの初頒布を予定しているので気になった方は来てください。
あとの頒布物としてはHOOK69の完成品やマウスパッドとデスクマットなどです。

開発メモ

ロータリーエンコーダの押し込みをDIP Switchに割り当てる

ロータリーエンコーダの押し込みはキーマトリクス内に仕込むのが一般的である。

ただ元々ロータリーエンコーダを搭載していなかったキーボードに仕込む場合や、とある都合でマトリクスに仕込む余裕がない場合がある。
そこで使えるのがこのDIP Switchと呼ばれる機能。

詳しくは下記を参考に実装してほしいが、1PIN空いていればこの機能が使用可能。
押し込み時のみ動作するようににファームを書けば押し込みを割り当てることができる。

github.com

シリアルLED 3.3V問題

みんな大好き足つきシリアルLEDのSK6812MINI-Eは3.3V信号には未対応。
Raspberry Pi Pico搭載の自作キーボードで上記のシリアルLEDを使う場合は5Vにレベルシフトしようねというお話。
詳しくは後で書くかも。

LOFREE x KAILH Full POM Low Profile Switches 対応

https://www.lofree.co/cdn/shop/files/Flow_ghost_f67d3093-da24-4164-9b79-f694f40869ad.png

最近販売が始まったKailhのロープロスイッチ。
国内だとDaily Craft Keyboardさんでの取り扱いが始まっている。
こちらの対応したキーボード設計であるが、Kailh choc v1対応フットプリントの中央穴のサイズを4.9mmに変更するだけで対応可能。
Pinの形状はKailh choc v1そのままに中央の突起部分がKailh choc v2と同じ大きさといった感じである。
トッププレートは1.2mmらしいが、手元の1.6mmで試したところこの厚さでもあまり問題ないように見受けられる。

EVQWGD001(水平ロータリーエンコーダ)

http://ae01.alicdn.com/kf/HTB1q48caiLxK1Rjy0Ffq6zYdVXav.jpg

以前軽く調べて取りまとめたことがあったが再度記載したほうがいい気がしたので取り上げました。
水平回転が特徴だが、データシートのない謎の部品。

個人的な調査だが、こちらほぼほぼSONY VAIO R505などに搭載されていたジョグダイヤル
搭載されていたPCが2000年前後のものなので、推測だがこの部品も生産から20年ほど経過していることになる。

当時品のデットストックがどこからか発掘されAliExpressで捌かれている模様。 以前市場流通在庫がまとまってあるのを発見したので、国内の問屋経由でまとめて購入出来ないか何社か問い合わせたが何処も不可能との回答を貰ったことがある。

結構前にAliExpress経由で手元に100個ほど確保してみたが、若干動作が怪しく錆びついているも個体もあった。

https://blog.ss-blog.jp/_images/blog/_f23/taiseiko2/image/2014-08-16T21:39:59-60d14.jpg https://ae01.alicdn.com/kf/HTB1xlhFgSMmBKNjSZTEq6ysKpXat.jpg

クローン品が出回っているといった話も聞かないので、今ある市場在庫分が尽きたなら終わりと言った部品。
小型で回し心地や操作性も良いが、キットに採用する際は壊れた際の修理や耐久性などリスクとリターンをはっきり理解してから使うことをオススメする。

Kailh ロープロソケットの取り付け方向

MX版のソケットの方は取り付け方向を間違えることは少ないと思うが、ロープロ版のソケットは上下反対にしても実装出来てしまうので注意が必要。

取り付け方向としては、キースイッチのPinが上に来るようにした時にソケットに印字されているKailhの刻印が 書き下げになるようにソケットを配置するのが正しい。   

Automatic Mouse Layer

いつ頃追加されたのは知らないが、いつの間にか対応していた機能。
名前の通りポインティングデバイスを動かすと自動的にレイヤーを移動してくれる便利機能。
特定レイヤー時のみ機能を機能を有効化など出来たりするので、トラックボール搭載型であれば是非とも使いたい機能。

github.com

おわりに

年1機以上設計作成して頒布するという個人的目標はなんとか達成し、振り返るとコミケなど各種イベントに結構参加してたなといった一年でした。

来年は今のところ作りたい完全新作のアイディアがないので、既存の改良や派生品のが中心になる予定。
あとキーケット申し込みしてみたので、受かるといいな…

この記事はReex67ModとRe64とHHKB Professional Hybrid Type-Sで書きました。